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翠渓会北陸支部・支部釣行【第四陣】3

翠渓会北陸支部・支部釣行【第四陣】3 1

翠渓会北陸支部・支部釣行【第四陣】3 

『北陸の翠聖帝峪・勇者の完勝』完全敗退2

「奴は来た!」な・何んなんだぁ!この重量感のある引きは!重たい何か生き物がこちらの様子を伺いながら掛け引きするように、引き込む。仕掛けは流れとは逆にグイグイ引きずり込む!よく海釣りで根魚が暴れている引きを見た事があるが、深海魚ではあるまいし!しかし全く動けない!竿を寝かしたいが、両手でもがっちり根掛かりしたようなアタリ。全く言うことを聞かない!竿が半月のまま、動かない!匠が弓なりで動かないのは初めてだ。全く力が五分五分だ!この時初めて「しまった!」と思った。大イワナ掛けながらあの釣り人の話を思い返した。「人を信用せず話をよく聞いていなかったからだ!」「よくある釣り人の自慢話だろう!」…と。タカを括っていたとはこの事だが、後悔先に立たず!わぁ〜!竿が2番迄引きずり込まれてる!両手で必死に持った竿は、大イワナ用のダイワ名竿THE源流匠硬調53だ。まさか。そのまさかだ。天下の名竿、匠が持たなかったのだ!「バキっと」3番の根元から折れ、仕掛けごと淵に引きずり込まれ、沈んでいった…。どうにもならなかった。支えるのが精一杯。緩めればバレただろう。掛かった後の時間が少なかったから、浅い掛かりだったかもしれない。…ふと我に帰り、やや放心状態でしゃがみ込む。「今のは何だったのだろう?」イワナなのだろうが、まるで高い知能を持った動物とのやり取りようだった。竿の引きから伝わる、躍動感、生命の力みたいな何だか得体の知れない生物に遭遇したようだ!勿論、魚体をハッキリ見た訳ではないので推測だが、やはり大岩魚は45〜50センチクラスは間違いないと思う。私も今話したら、どんなに笑われようと、この位と、<50センチ>の両手を手いっぱい広げるだろう。教えてくれた人を私は内心は笑っていたが、多分魚の全長ではなく、重量感のあるあの引きにその手も大きく広げたのだろうと思った。私の求めていた「北陸の翠聖帝峪・北陸の勇者」はここにいたのだ!放心状態の中、目を淵に向けると、淵尻には糸が切れ、仕掛けと穂先が浮いてきて引っ掛かっていた。なんとも不気味だ。渕もグリーン色でイワナも同色化していたのか、全く見えなかった。とても2投目をする気など無くなり、引き上げた。『勇者よ!必ずまた逢いに来るぞ…』敗者の捨て台詞を一人言で言いながら、逃げる様に敗走するかの如く谷を駆け下りた。全くの完全敗退であった。



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 2008/06/25 04:02
 翠月
 いかにも大イワナの淵らしいですな